中島 匠 / 表具

中島 匠

伝統を継ぐ

1977年2月2日京都市生まれ。1998年株式会社静好堂中島入社、現在同社取締役。

表具師は、主に掛軸や額、襖や障子など和風建築の内装を中心とした和紙を用いたものを扱う仕事です。表具師という名前を聞いたことのない方も多いと思いますが、私は幼少より祖父の仕事を見て触れて育ちました。その祖父はいつも「この仕事は、いつになっても極める事はできない。お客様から預かった仕事はこの世に一つしかないため、常に緊張感を持って仕事ができることが幸せだ」と言っておりました。尊敬する祖父に近づきたい、祖父みたいな表具師を目指し超えたいと思い、表具師の仕事を継ぎました。

様々な伝統産業の技術が継承されるように、私もその橋渡しを担いたいと考えております。最近になり、ようやく祖父の言葉の一端を感じられるようになりました。私なりの表具師の道を確立するため、受け継がれた技術をしっかりと継承し、お客様の話を聞き、空間を感じ、お客様に喜んでいただけるように考え、おもてなしの心と気持ちを入れて仕事をしています。和風建築が減少する中、少しでも表具の良さを伝え、現在の生活に合う表具の形を確立できるよう、精進してまいります。

主な作品

国立京都国際会館(宝松庵)、大阪城西の丸庭園(豊松庵)、和歌山城紅葉渓庭園(紅松庵)、裏千家学園、裏千家東京道場、伊勢神宮(神宮茶室)、姫路城西御屋敷跡庭園(双樹庵)、熊本城(本丸御殿)、京都迎賓館、光雲荘、サントリー美術館、ロサンゼルス上杉邸、大徳寺聚光院庫裡、SGI 世界文化センター、中村藤吉本店、上七軒中里ほか